戦後70年の夏、日本が伝えるべきこと
今年は太平洋戦争が終結して70年。
日本は「戦争をしない国」というあり方を変えるかもしれない局面に立っています。
8月6日、そして9日と、広島、長崎に原爆が落とされた日からもそれぞれ70年が経過。
TVの前でではありますが、私も黙祷を捧げました。
広島、長崎の平和宣言の全文をリンクします。
広島は静かに、長崎はとても明確に、平和を願う立場を示していました。
「同じ思いをする人を作りたくない」という、当事者だけの願い。
今年、被爆者の平均年齢は80歳を越えたそうです。
どんどん「その日」を知る人が少なくなっていくわけですが、広島や長崎の人たちにしか伝えられないことがある。
原爆の悲惨さという事実は知ることで伝えられます。
でも、当事者が味わった感情は、ご本人に語っていただかなければなかなか伝わらないと思うのです。
語りたくない、という方も大勢いるでしょうが、年齢を重ねて語り出した方もいらっしゃると聞きます。
映像や音声で証言を残す活動もあちこちで行われているそうです。
NHKの世論調査で、広島、長崎の原爆の日の正答率が3割を切ったとか。
原爆投下の日、答えられたのはわずか3割弱 際だつ長崎での風化 (withnews) - Yahoo!ニュース
古い時代から歴史を教えるやり方を変えるべき、という意見も出てきていますが、
教える側も戦争を知らない世代になっているわけですから、今までと同じようにしていては、どんどん正答率が下がる一方だと思います。
私たち、団塊ジュニア世代の親ですら戦争を知らないのです。
でも、私たちの頃は、教師にまだ戦争を知る世代がいました。
小学校の頃、特攻隊に志願して、生き残ったという先生がいて、
叱咤するような場面で、いつも自分たちがお前たちくらいの頃はな、と戦争体験を語ってくれたのです。
当時は「また始まった」程度に聞いていましたが、今となってはそういう体験者の声を聞けたことは貴重だったんだと感じますし、もっといろいろとお話を聞いてみたかったと思います。
私たちの祖父母世代はもちろん戦争を体験しているわけで、私の祖父は戦車隊にいたのだとか。
でも、戦争について話が出ることもあまりなく、こちらから質問する勇気もなくて、
結局聞けずじまいになってしまったのは、今となっては悔やまれます。
加害、被害のどちらの立場でもある日本。
どちらだったとしても、戦争は破壊行為であり、悲惨なものです。
私たちを含めた若い世代が知る努力、そして知る世代が伝える努力を、双方向でもっともっとすべきなのだと思います。
それも急いで。
今年は、甲子園も初めての開催から100年の節目の年だそうです。
100年目なのに97回大会……太平洋戦争時は非開催だったため、今年は97回大会なのですね。
偶然か、それとも敢えてその日にぶつけたのか、開会式は70回目の広島原爆の日。
選手宣誓にも平和の祈りが込められていました。
王貞治さんが始球式の投手としてマウンドに。
甲子園の始球式。広島平和祈念式典に続けてTVで見ました。王さんが投手としてマウンドに。平和の祈りも込められた100年目の甲子園。
こういった大会が普通に実施されるのは、平和だからこそ。
結婚式のようなお祝いごとを大々的にできるのも、平和であってこそなんです。
それが永久に続く世の中であってほしいですね。